生理日を自分の意思で安全かつ確実にコントロールする手段は、現時点で医療用ピル(ホルモン剤)を用いた月経移動以外に存在しません。ピルに含まれる黄体ホルモンと卵胞ホルモンを体外から補充することで、体内のホルモンバランスをコントロールし、子宮内膜が剥がれ落ちるタイミングを意図的に操作します。
月経移動には「生理を早める(前倒し)」方法と「生理を遅らせる(後ろ倒し)」方法の2種類があります。イベント当日にピルを飲む必要がなく、副作用の心配をイベント中に持ち越さないという観点から、多くの女性が「早める方法」を希望します。しかし、早めるためには適切な飲み方とシビアなタイミング管理が求められます。
生理を早める場合、一般的には「ずらしたい月経の1つ前の生理中」から準備を始めます。具体的なアプローチは以下の2通りです。
【中用量ピル 飲み方とタイミング】
ずらしたい予定の1つ前の生理が始まってから3〜5日目までに内服を開始します。そこから約10〜14日間連続で服用し、内服をストップします。服用を終えると、血中のホルモン濃度が急激に低下(消退出血の誘導)し、内服終了後2〜4日程度で生理(消退出血)が始まります。この出血さえ終わってしまえば、本番のイベント当日は生理の心配から完全に解放されます。
【低用量ピル 月経移動の進め方】
普段からOC/LEPを内服していない人が単発の月経移動を行う場合、ホルモン量の多い中用量ピルが使われるのが一般的ですが、吐き気などの副作用が出やすい体質の場合、低用量ピルを前周期の早い段階から服用して周期を短縮・調整する処方も行われます。ただし、低用量ピルで早めるには予定日の数週間前から計画的に服用する必要があるため、直前の駆け込みには対応できません。