日本のネット掲示板やSNSでは、定期的に「〇〇(人気アイドル・俳優)は多指症ではないか?」という検証スレッドが立ち上がり、高解像度の画像をもとにした詮索が繰り広げられます。しかし、これらの噂のほぼ99%は、単なる怪我の痕、腱鞘炎の手術跡、あるいは光の加減による錯覚に過ぎません。
ネット上で特に噂されやすいパターンは以下の3つに集約されます。
- 手首や親指の付け根に見える線:幼少期の骨折や、ピアノ・ギターなどの楽器演奏、激しいダンスレッスンによる腱鞘炎(ばね指)の手術瘢痕を、多指症の切除痕と短絡的に結びつけるケース。
- 足の小指の外側が盛り上がっている写真:女性タレントやモデルの足元を拡大し、「足の指が6本ある(多趾症)」と騒ぎ立てるケース。その大半は、ハイヒールなどの過酷な着用環境によって生じる重度の「内反小趾(ないはんしょうし)」や靴擦れによるタコ(胼胝)です。
- 海外セレブの画像加工ミス:海外ファッション誌の表紙写真で、フォトショップの切り抜きミスによって指が6本に見えてしまった画像(米有名セレブの雑誌表紙などで過去に複数発生)が、「本人が多指症を隠している証拠」として拡散されるケース。
現在、日本の芸能界で現役の俳優・タレントが「自らが多指症であり手術を受けた」と自ら名乗り出て詳細を語った公的記録はほぼ存在しません。それは日本社会において、医療プライバシーが厳格に守られていることの表れでもあります。ネット上の「画像検証」のほとんどは医学的リテラシーを欠いた野次馬根性による牽強付会であり、本人の意志に基づかない過度な身体特徴の詮索はプライバシーの重大な侵害にあたります。