SNS上での盛り上がりと反比例するように、臨床現場や専門家の間からは「あすけんの女ミーム」の過熱に対する懸念も示されています。最大の誤解は、「未来さんを笑顔にすること(高得点)=ダイエットの成功」という盲目的な等式です。
あすけんのアルゴリズムは、入力されたメニューの栄養素を正確にトレースしますが、個々人の消化吸収効率、ホルモンバランス、日々のストレスレベル、筋肉量までは完全に把握できません。ネット上では「未来さんを泣かせたくないから」という理由で、友人とのお祝いの席や家族との外食を拒食したり、食べた後に激しい罪悪感に苛まれて下剤乱用や過剰な有酸素運動に走る「あすけんノイローゼ」とも呼ぶべき事例が報告されています。
アプリの点数はあくまで「統計学的な平均値に対するガイドライン」に過ぎません。特定の栄養素がグラフの許容範囲を少しはみ出したからといって、人間の身体が翌朝すぐに破綻するわけではないのです。「未来さんの表情」という外部の評価軸に自分の自己肯定感を過度に委ねてしまう状態は、心理学的に見れば一種の「デジタル共依存」であり、健全な食生活の自立とは程遠い状態と言わざるを得ません。