日本から現地への道のりは、地球の裏側を目指す長旅となります。天空のマチュピチュへの行き方は、まず日本から米国主要都市(ヒューストン、ロサンゼルス、アトランタなど)を経由して首都リマへ飛び、そこから国内線でアンデス山脈の古都クスコへ向かうのが王道路線です。
移動のハイライトとなるマチュピチュとクスコ間のアクセスでは、ペルーレイル(PeruRail)やインカレイル(Inca Rail)といった展望列車を利用します。クスコ近郊のポロイ駅、あるいは聖なる谷のオリャンタイタンボ駅から列車に乗り、ウルバンバ川沿いの渓谷を縫うように走ってマチュピチュ村(アグアスカリエンテス)へ向かいます。そこからシャトルバス「コンセトゥル(Consettur)」で約30分つづら折りのハイラム・ビンガム・ロードを登ると、遺跡のエントランスに到達します。
旅程を組むうえで最大の難関がマチュピチュの標高と高山病対策です。ここで注意すべきは、「マチュピチュ遺跡(標高約2,430m)よりも、手前の拠点都市クスコ(標高約3,399m)のほうが遥かに高地にある」という逆転現象です。リマ(海抜0m)から飛行機でいきなりクスコへ入ると、急激な気圧低下により高山病(ソモチ)を発症するリスクが跳ね上がります。
有効なリスク回避策として、クスコ到着後は市内に留まらず、標高の低い「聖なる谷」(オリャンタイタンボやウルバンバ:標高約2,800m前後)へ直行して連泊し、徐々に体を慣らしてからマチュピチュへ向かう旅程構成が推奨されます。水分補給の徹底、アルコールや脂っこい食事の制限、必要に応じた予防薬(ダイアモックス等)の医師への相談が、快適な滞在の分かれ目となります。