なぜ西成という土地に、これほど多くの中国系女性スタッフによるカラオケ居酒屋が集結し、ガールズバー化していったのでしょうか。単なる「儲かるから」という理由だけでは説明できない、構造的な背景が存在します。
第一の要因は、西成特有の圧倒的なテナント料の安さと居抜き物件の豊富さです。かつてスナックや喫茶店だった狭小物件が月数万円から十数万円程度で借りられるため、初期投資を極限まで抑えて新規参入することが可能でした。資本力の乏しい外国人経営者にとって、これほど参入障壁の低いエリアは他になかったのです。
第二に、「接待をしないと客単価が上がらない」というビジネスモデルの限界です。本来の西成価格である「ビール1杯500円、カラオケ1曲100円」だけでは、光熱費の高騰や家賃を支払った後に残る利益はごく僅かです。客の滞在時間を引き延ばし、利益率の高いアルコールを消費させるために、女性スタッフが横に座って親密な会話を提供する「疑似ガールズバー化」へと自然と傾斜していったという構造的矛盾があります。
ネット上では「暴力団の巨大な資金源になっている」といった過激な憶測も散見されますが、警察関係筋の見解では、そうした組織的関与よりも個々の店舗による生き残りをかけた違法営業の常態化が実態に近いと指摘されています。