脇のニオイを正しく見極める第一歩は、体内にある2種類の汗腺の違いを把握することです。私たちの体には全身に分布する「エクリン腺」と、脇の下や陰部など限られた部位に存在する「アポクリン腺」が備わっています。
ワキガ特有の強いニオイ(鉛筆の芯、クミンなどのスパイス、あるいは硫黄に例えられる刺激臭)は、アポクリン腺から分泌される脂質やタンパク質を含んだ白濁した汗が、皮膚の常在菌によって分解されることで発生します。これは遺伝的な要因が約8割を占め、アポクリン腺の数や大きさによって先天的に決まる体質です。
一方、ワキガではない人の脇から漂うニオイのほとんどは、エクリン腺から分泌された通常の汗が変質したものです。エクリン腺から出る汗は99%以上が水分であり、分泌された直後は完全に無臭です。ところが、分泌から約1時間以上放置されると、皮膚表面の皮脂や角質をエサにして常在菌(表皮ブドウ球菌やコリネバクテリウム属など)が急激に増殖し、酸っぱいニオイや雑巾のような悪臭へと変化します。これが「ワキガと汗臭の違い」を生み出す決定的な分岐点です。