一口に市区町村といっても、その権限と規模は均一ではない。人口50万人以上を抱え、都道府県並みの権限と財源を委譲された大都市が政令指定都市だ。警察や広域道路の整備などを除き、都市計画や福祉の許認可権限の多くを自ら行使できるため、スピーディな施策展開が可能になる。市内には行政事務を分担する「行政区」が置かれるが、これは後述する特別区とは異なり、独立した議会や公選の区長を持たない内部組織にすぎない。
これと対照的なのが、東京23区を指す特別区だ。特別区はそれぞれ公選の区長と区議会を持つ独立した地方自治体でありながら、消防、上下水道、大規模な都市計画などは東京都が一元管理している。財源の一部も「特別区財政調整交付金」として都と区の間で配分される特殊な二重構造を持つ。
さらに人口要件(原則5万人以上)を満たす「市」、比較的小規模な「町」「村」と続く。近年は過疎化によって人口要件を下回る市も増えているが、自治体としての独立性と住民サービスを維持するための模索が各地で続いている。