本作を生み出したのは、卓越したプロット構成力を持つ織田小星(おだ しょうせい)と、驚異的な筆致で緻密なペン画を描いた椛島勝一(樺島勝一)のコンビだ。彼らの出会いは、まさに奇跡的なケミストリーを生んだ。
大正ロマンの空気が色濃く漂う都市文化の中で、椛島が描くハイカラな洋風の街並みや幻想的な異世界は、当時の子どもたちだけでなく大人たちの心も鷲掴みにした。一方の織田は、リズミカルで軽快なストーリーテリングを注入し、視覚と物語が見事に融合したエンターテインメントを完成させた。二人が切り拓いた表現手法は、その後のクリエイターたちにとって決定的な教科書となっていく。