時天空を語る上で外せないのが、土俵を切り裂くような多彩な足技です。なかでも代名詞と称された「蹴手繰り(けたぐり)」は、対戦相手のみならず観客の度肝を抜く切れ味を誇りました。
当時の大相撲中継や現場関係者の記録によると、時天空の蹴手繰りは単なる奇襲戦術ではありませんでした。相手の立ち合いのスピード、重心の傾き、呼吸のタイミングを瞬時に見極め、完全に相手の意識の死角を突いて繰り出す「理詰めの高等戦術」だったと伝えられています。
内掛け、外掛け、二丁投げなど、決まり手係を唸らせる多彩な技を自在に操り、技能賞を通算3度受賞。土俵際で見せる驚異的な粘りと身体の柔軟性は、日々の厳しい稽古と理論的なアプローチが融合した結晶でした。