何より目を奪われるのが、主演・内田有紀の鬼気迫る佇まいだ。アイドル女優としてのパブリックイメージを粉砕するかのように、化粧を落とし、剥き出しの焦燥と怒りをスクリーンの奥からぶつけてくる。拘束台の上でもがき、自嘲し、やがて他者と触れ合うなかで微かな光を見出す明日香の変遷は、彼女のキャリアにおける最大の転換点と言っていい。
周囲を取り巻く顔ぶれも凄絶を極める。摂食障害を抱えるミキを演じた蒼井優の、触れれば壊れそうな透明感と狂気の混在。病棟の古参患者として君臨する西野役、大竹しのぶの底知れぬ怪演は鳥肌ものだ。親切な笑顔の裏に潜む悪意、執着、そして孤独。怪優たちの激突によって、スクリーンは一瞬たりとも緊張の糸が途切れない。