伊豆テディベアミュージアムが幅広い年齢層から選ばれ続ける背景には、「本物のアンティーク文化」と「国民的アニメーションの体験価値」という2つの異なる魅力が高次元で調和している点にあります。館内は1階と2階でコンセプトが明確に分かれており、訪れる人の知的好奇心と情緒的共感の双方を満たす設計が施されています。
1階フロアは「テディベアの歴史と芸術」をテーマにした本格的なミュージアムです。目玉となるのは、1904年ドイツ・シュタイフ社製で、ギネスブックにも掲載された伝説のアンティークベア「テディガール」です。第二次世界大戦をボブ・ヘンダーソン大佐と共に生き抜いたこのベアは、1994年にロンドンのクリスティーズ・オークションにて当時のぬいぐるみ史上最高額(約1,800万円)で落札され、当館へ迎えられました。ガラスケース越しに見せるその佇まいには、激動の歴史と持ち主との深い絆が刻まれており、歴史愛好家や大人のコレクターを唸らせる説得力を持っています。
一方、2階フロアでは長期特別企画として定着している「伊豆テディベアミュージアム トトロ展(となりのトトロのぬいぐるみ展)」が展開されています。スタジオジブリの制作協力のもと、ぬいぐるみの素材や技法を用いて映画の名シーンを立体的に再現した空間は、幼少期に作品に親しんだ親世代から現在進行形で楽しむ子どもたちまでを一瞬で魅了します。単なるキャラクター展示にとどまらず、手仕事の温もりを介して物語を再解釈する展示手法こそが、長年にわたる高評価の源泉です。