近年、ネットの掲示板やSNSで定期的に大炎上するのが、整骨院の健康保険不正請求問題ネットの反応です。「単なる肩こりで通っていただけなのに、健康保険組合から『負傷原因の照会』が届いてパニックになった」「白紙の支給申請書にサインさせられていた」といった告白が後を絶ちません。
なぜ、このような不正請求が構造的に生じてしまうのでしょうか。その背景には、柔道整復師の療養費制度における「受領委任払い」の仕組みがあります。本来、療養費は患者がいったん全額を支払い、後から健保組合に請求する「償還払い」が原則ですが、利便性のために整骨院が患者に代わって保険分を請求できる特例が認められています。一部の悪質な事業者がこの制度を悪用し、患者の単なる慢性疲労やマッサージ目的の来院に対し、カルテ上は「首の捻挫」「背部の打撲」などと架空のケガを捏造してレセプト(診療報酬明細書)を作成する事案が続いてきました。
これに対し、財政が逼迫する健康保険組合や協会けんぽ側も監視網を極限まで強化しています。数ヶ月後に患者宅へ直接送られる照会状には、「負傷した年月日・場所・負傷原因」「通院日数」を細かく回答する欄が設けられています。ここで整骨院側の虚偽のカルテ内容と患者の回答が食い違えば、保険給付が不支給となり、過去に遡って全額自費分を患者本人が健保から請求される事態に発展します。さらに悪質なケースでは、患者自身も不正の共犯として疑われる精神的負担を背負うことになります。「安くマッサージが受けられるから」と軽い気持ちで白紙の書類に署名することは、絶対に避けるべき重大なコンプライアンス違反です。