SNSのショート動画などで散見される「水抜き不要!そのままフライパンに入れるだけ」という時短テクニックですが、調理現場のプロはこれに対して明確な警鐘を鳴らしています。「水抜き不要」が成立するのは、作ってから1分以内にその場で食べ切る場合のみです。
豆腐を水抜きせずに炒めたり煮たりすると、調理後に皿の上で余熱が進む過程で、浸透圧により塩分の強いタレに向かって豆腐内部の水分が際限なく浸出してきます。その結果、食卓に並んでから数分でソースが分離し、薄まった出汁が皿の底に溜まることになります。特にお弁当のおかずとして活用する場合、水分過多は細菌繁殖の温床にもなりかねません。600Wで1分のレンジ加熱は、安全面と美味しさの両面において削ってはならないプロセスです。
また、お弁当や作り置きに活用したい読者におすすめなのが、エビ豆腐ハンバーグ・つくねの作り方です。水切りした木綿豆腐をしっかりと潰し、包丁で粗く叩いたエビ、鶏ひき肉(または白身魚のすり身)、大葉や生姜を混ぜ合わせます。ここでエビを完全にペースト状にせず「粗みじん」を残すのが最大のコツです。豆腐のふんわりとした柔らかさの中に、エビのゴロっとした弾力がアクセントとなり、冷めても固くならずジューシーな食感が保たれます。
汁物への展開としては、エビと豆腐の白だし中華スープが秀逸です。鍋に湯を沸かし、白だしと生姜のすりおろし、ごま油を垂らし、さいの目に切った豆腐とエビを煮立てるだけ。エビから滲み出た出汁が白だしの鰹昆布風味と一体化し、二日酔いの朝や夜食にも最適な滋味深い一杯がわずか5分で整います。