下痢が続いた際、「近所の一般内科でいいのか」「心療内科か、それとも専門病院か」と迷う方が多く見受けられます。結論から言えば、最初の窓口として最適なのは「消化器内科(胃腸内科)」です。
下痢の診療では、まず大腸がんや潰瘍性大腸炎といった「命に関わる器質的異常」を確実に除外(ルールアウト)することが大原則です。除外診断を行わずに心因性と決めつけてしまうと、重大な疾患を見落とす危険があるためです。
消化器内科で行われる主な検査ステップ
- 問診・身体診察:発症時期、便の性状、排便回数、食事歴、内服薬、体重変化を詳細に確認。
- 血液検査・便検査:炎症マーカー(CRP)、貧血(Hb値)、便中カルプロテクチン(腸管の炎症度合いを示す指標)、便潜血反応、便培養。
- 大腸内視鏡検査(大腸カメラ):肛門からスコープを挿入し、大腸粘膜を直接観察。疑わしい病変があれば組織を採取(生検)して病理検査へ。
- 腹部超音波(エコー)・CT検査:腸管壁の肥厚、リンパ節の腫れ、他臓器の異常をスクリーニング。
【プロの結論】医療機関を受診すべき人と生活改善で様子見できる人の判断基準
自己判断によるリスクを回避するため、以下の基準に照らし合わせて次のアクションを決定してください。
【直ちに消化器内科を受診すべき人】
- 下痢が2週間以上続いており、自然軽快の傾向が見られない人
- 便に血液・粘液が混ざる、あるいは便が鉛筆のように細くなった人
- 夜間、下痢の便意で目が覚めてしまう人
- 微熱、だるさ、貧血、意図しない体重減少を伴っている人
- 40歳以上で、これまでに大腸内視鏡検査を受けたことがない人
【数日間の食事・生活改善で様子を見てよい人】
- 食べ過ぎ、過度の飲酒、冷えなど、明らかな誘因が直前にある人
- 腹痛や発熱、血便などの随伴症状が一切なく、全身状態が極めて良好な人
- 発症から2〜3日以内で、便の状態が徐々に軟便から普通便へと回復傾向にある人