日本の民家で突如目撃され、住人を戦慄させる家に出る大きいクモの正体は、アシダカグモ科に属するアシダカグモ(Heteropoda venatoria)です。足を広げた大きさは成体で10cm〜13cm、大型の個体ではCDの直径(約12cm)に匹敵し、日本国内の屋内に生息するクモとしては最大級のサイズを誇ります。
外見の禍々しさから毒グモや害虫と誤認されがちですが、ネットカルチャーや害虫駆除の現場では長年「アシダカ軍曹」の愛称で親しまれてきました。この特異な通称が定着した背景には、インターネット掲示板「2ちゃんねる」で語り継がれた数々の目撃談があります。潜伏するゴキブリの群れへ単身突撃し、音もなく瞬殺していく圧倒的な戦闘能力と統率されたかのような狩猟スタイルが、まるで『ケロロ軍曹』や歴戦の兵士を彷彿とさせたことから命名されました。
アシダカグモは夜行性で、人間が寝静まった深夜に活動を開始します。壁や天井を驚異的なスピードで立体機動し、視界に入った獲物を確実に仕留める姿は、恐ろしさを通り越して頼もしさすら感じさせる生態系トッププレデターの佇まいです。