漢字の成り立ちを理解することは、記憶を定着させるだけでなく文字の本質的な造形を理解する最短ルートです。
古代中国の甲骨文字や金文の研究資料によると、「血」は祭祀(神仏への祈り)の儀式に深く関係する象形・指事文字です。古代社会では、国家の重大事や同盟を結ぶ際(盟誓の儀礼)、牛や羊などの犠牲獣の喉を裂き、その新鮮な血を器に注ぎ、神前に供えたり参列者が互いに唇に塗ったりして誓いを立てる風習がありました。
下部の「皿」は祭祀に用いる特別な器(うつわ)の形そのものであり、上部の「一画目」は「器の中に満ちた犠牲の血の滴(しずく)」を指し示しています。つまり、「皿の中に血が盛られている情景」をそのまま写し取った文字が「血」なのです。