ファンコミュニティやSNS上で「リゼロ史上最高の神回」と称されるのが、第1期第18話「ゼロから」です。すべてを諦め、自分を無価値だと蔑むスバルに対し、レムが全身全霊の信頼と愛情を伝えて立ち直らせるこの場面で流れたのが、レム(CV:水瀬いのり)が歌う「Wishing」でした。
ピアノとストリングスを基調としたこのバラードは、キャラクターソングの領域を完全に逸脱した芸術性を持っています。「朝が来て、夜が来て、その当たり前をあなたと過ごしたい」という極めて慎ましやかでありながら強固な祈りは、過酷を極める本作における最大の救済として機能しました。
また、リゼロの演出で特筆すべきは「オープニング・エンディングを惜しげもなく削る」という型破りな構成美です。
一般的な24分枠のテレビアニメでは、OPとEDで合計3分間を使用するのが通常です。しかしリゼロ製作委員会と監督・演出陣は、原作の膨大な情報量と心理描写を1秒も削らないため、OPとEDを完全にカットして本編を29分超の限界まで拡大する手法を頻繁に選択しました。
その結果、たまに流れるOPや、物語の結末からシームレスにED楽曲のイントロへと突入する「特殊エンディング」の破壊力が極限まで高まるという、計算された視聴体験を生み出したのです。