「2時間2,000円」のプランで、客は本当に得をしているのか。都内で複数店舗のオペレーションを統括するマネジメント関係者の証言は明快だ。「生ビールを何杯飲まれたところで、原価の安いハイボールやレモンサワーを混ぜてもらえれば店側が赤字に沈むことはまずない」と打ち明ける。
ドリンクの原価構造は極端だ。樽生ビールの中ジョッキは1杯あたりの原価が約150円から180円に達する一方、サーバーから注がれるプレーンサワーや業務用の甲類焼酎で割るサワー類は、1杯あたり15円から30円程度で収まるケースが大半を占める。ウイスキー風フレーバーの割り材を用いたハイボールも原価数十円の世界だ。つまり、2,000円の飲み放題で原価的な元を取るには、生ビールだけを10杯以上連続で平らげない限り達成できない計算になる。
さらに「グラス交換制」「ファーストオーダーから90分でラストオーダー」という時間制限ルール、さらには「1人フード2品オーダー必須」「高額なお通し代」といった付帯条件が重なる。定額の看板に引き寄せられた消費者が、最終的なレシートを見て首を傾げる原因はここにある。損をしないための最短ルートは、銘柄指定のプレミアムビールや純米酒など、仕入れ原価が明確に高いドリンクを意図的に頼むことに尽きる。