かつて初等中等教育の現場で当たり前に行われていた行事が、いま劇的な転換期を迎えている。文部科学省が進める教員の働き方改革や、個人情報保護の観点から、教育行政全体で業務のスクラップ&ビルドが進んだためだ。
現在、多くの学校が採用しているのは、住居の場所を確認するだけの「確認訪問」や、ドア越しに数分話すだけの「玄関先訪問」だ。居間に通してじっくり話す従来のスタイルは、都市部を中心に姿を消しつつある。共働き世帯が多数派となり、平日の日中に保護者が在宅すること自体が難しくなった社会構造の変化も、この潮流を後押しする。
一方で、学校側にとっては「児童虐待の早期発見」や「生活困窮の兆候把握」といったセーフティネットとしての側面を完全に捨てきれないジレンマもある。巡回自体の全廃に踏み切れない自治体と、現場の負担軽減を求める教員の声との間で、せめぎ合いが続いている。