街中のサロンを巡る状況は複雑だ。現在、リラクゼーション・マッサージ業界と産婦人科医療産業の間には、安全管理に関する明確な温度差が存在している。
国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師が施術を行う治療院がある一方で、無資格のセラピストが短期間の民間講習のみで施術を行うサロンも少なくない。厚生労働省は無資格者による医療類似行為のトラブルに対して度々注意喚起を行っているが、リラクゼーション業態における妊婦受け入れ基準は各店舗の自主判断に委ねられているのが実情だ。
日本助産師会の関係者は、サロン側が問診票で「安定期に入っているか」だけを確認し、胎盤の位置や切迫徴候の有無といった臨床リスクを把握しないまま施術に入る危険性を強く懸念している。医療知識の乏しい施術者が「むくみを取るため」と称して禁忌部位を強く揉みほぐした結果、子宮頸管が短縮しているハイリスク妊婦がトラブルに見舞われるケースは後を絶たない。