違法薬物事件の摘発において、主導権を握るのは「マトリ」こと関東信越厚生局麻薬取締部と、警視庁組織犯罪対策部である。両者は独自のルートで売人や情報提供者を追い、ターゲットの行動パターンを徹底的にプロファイリングする。
特に夫婦が関与する事案では、所持や使用の証拠をどちらが主導したのかを突き止める作業が難航しやすい。密売人との連絡役は誰か。資金の出どころはどこか。覚醒剤取締法違反における共同所持の立件は、家宅捜索で発見された吸引器具のDNA鑑定やスマートフォンの解析データなど、極めて緻密な物証の積み上げによって進められる。捜査員たちは、言い逃れを許さない外堀を静かに、確実に埋めていく。