日本の夜の景色が確実に変わりつつある。一般社団法人日本フードサービス協会が発表する市場動向データを眺めても、外食産業全体で「安さ」を売り文句にする業態からの脱却が顕著だ。客が求めているのは、単に胃袋を満たすアルコールではなく、一口ごとに感動を呼び起こす確かな食体験へとシフトした。
その最先端に位置するのが、従来の気軽な大衆居酒屋と本格的な割烹の境界線を鮮やかに溶かした新世代の酒場だ。お通し一つをとっても、手抜かりのないすり流しや季節の白和えが供される。伝統的な和食の真髄を宿しながら、価格と敷居を絶妙にコントロールする職人たちのセンスが、夜の街に新たな息吹を吹き込んでいる。