近年、NHKのスポーツ番組や科学特集でも度々取り上げられるのが、バイオメカニクスに基づく「非・脚力依存型」のモーションだ。最新のスポーツ科学によると、足の筋力で強引に床を蹴って横移動しようとすると、筋肉に強烈なブレーキがかかり、次の動作への移行が遅れることが分かっている。
身体を左右へ送る主役は、足ではなく骨盤と股関節の引き込みだ。スポーツ庁長官を務めた室伏広治氏が提唱してきたような「身体の軸をブレさせずに重心を滑らかに移動させる能力」こそが、疲労を最小限に抑える。骨盤をやや前傾させ、股関節を折りたたんだ「パワーポジション」をキープすることで、床からの反発力をダイレクトに横方向への推進力へと変換できるのだ。