肩甲挙筋の構造を理解する上で最も重要なのは、筋肉が首から肩甲骨へと「ねじれ」を伴いながら立体的に付着している点です。
起始部は第1〜第4頸椎(C1〜C4)の横突起後結節に位置します。ここから発した筋束は外側かつ下方へと斜めに走り、肩甲骨の上角および内側縁上部(肩甲棘三角より上方)に停止します。このとき、上位頸椎から出る筋束ほど肩甲骨の後方に、下位頸椎からの筋束ほど前方に配置されるという特有の回旋構造を持っています。
このねじれ構造があるため、首を前屈させた状態や回旋させた状態での持続的な負荷が直接的に筋線維の微小断裂や血流障害を引き起こします。首の付け根深部に指を沈めた際に感じる「コリコリとした硬い筋膜のしこり」は、まさにこの起始停止の引っ張り合いによって生じる構造的ストレスの表れです。