小動物医療の現場において、毎年誤飲による緊急搬送が後を絶たないのが「ぶどう」および「レーズン(干しぶどう)」です。犬がぶどうを摂取すると、早ければ数時間以内に激しい嘔吐や下痢、元気消失、腹痛が現れ、24〜72時間以内に急性腎不全を発症して命を落とす危険性があります。
かつては原因物質が特定されていませんでしたが、近年の研究および獣医学界の報告により、ぶどうに含まれる「酒石酸(Tartaric acid)」が犬の腎臓の尿細管に不可逆的な障害を引き起こす主要因であることが強く示唆されています。皮や果肉はもちろん、濃縮されたレーズンやパン・クッキーに含まれる加工品であっても毒性は一切薄まりません。
ぶどう以外にも、絶対に与えてはならない危険な果物には以下のものがあります。
- アボカド:「ペルシン」という毒性成分が含まれており、嘔吐・下痢や呼吸困難を引き起こすリスク。
- イチジク:「フィシン」という酵素や「ソラレン」が含まれ、口内炎や皮膚炎、激しい嘔吐を誘発。
- 未熟なトマト・ほおずき:アルカロイド系毒素(トマチン等)を含み、神経症状や消化器不全の原因に。