博多の街で焼き鳥を語るうえで、絶対に外せない看板メニューが名物「とりかわ」だ。一般的な焼き鳥店で出される皮とは異なり、ぐるぐると串に巻き付けられたその姿は圧巻の一言に尽きる。外はカリッと香ばしく、噛み締めると中は驚くほどもちもちとした独特の食感が広がる。
この唯一無二の味わいを生み出したのが、伝説の名店「権兵衛」の創業権藤勝氏である。鶏の首皮だけを厳選し、脂を丹念に落としながら「焼いてはタレに漬け、寝かせる」という工程を実に6日間も繰り返す。余分な脂分が抜け、旨味が皮の奥深くまで凝縮されることで、何本でも食べられる魔法のような一串が完成するのだ。