旧態依然としたアカデミズムに対抗して結成されたウィーン分離派。その中心人物であったグスタフ・クリムトの活動資金や社会的ネットワークを、陰で支え続けたのがエミリーの経済力だったことはあまり知られていない。
サロンの経営によって確固たる財を成していたエミリーは、クリムトがスキャンダルに見舞われ公的な依頼を失った際にも、揺らぐことなく彼を支え続けた。決して婚姻関係を結ばず、経済的にも精神的にも独立した個としてクリムトと並び立つ。その生き様は、男性社会に依存せざるを得なかった当時の女性像を根底から覆すものだった。