音楽社会学の視点から2011年を総括すると、この年は「熱狂的な参加型コミュニティ(AKB48・K-POP)」と「日常への回帰を促す癒やし(マルモリ・斉藤和義)」の双方向による心理的防衛が機能した特異な年であったと結論づけられます。
社会不安が高まった際、人間は二つの防衛機制を働かせます。一つは、同じ対象を応援する集団に所属することで孤立感を防ぐ「同調・連帯の欲求」。もう一つは、無邪気で無害な存在に触れることでストレスを緩和する「原初的安心の希求」です。AKB48の選抜総選挙への熱狂と、『マル・マル・モリ・モリ!』の爆発的流行は、まさにこの二大心理が社会規模で同時に発現した結果でした。
【2011年のヒット曲を今聴き直すのにおすすめな人・そうでない人】
- おすすめな人:
- 前を向くための直球でポジティブなエネルギーを受け取りたい人
- 平成カルチャーの熱気や、家族・仲間と共有した温かい記憶を呼び覚ましたい人
- J-POPの構造転換(CDから配信、アイドル・アニソンの台頭)の歴史を学びたい音楽ファン
- 慎重になるべき人:
- 震災当時のニュースや社会状況を思い出すことに心理的負荷を感じる人
- シンプルでキャッチーな商業的J-POPよりも、アンビエントや内省的な音響を好む人