近年の栄養学において、主食のカロリー吸収を物理的に抑える手段として確固たるエビデンスを確立したのが「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」の活用です。
炊きあがったご飯に含まれるデンプン(アミロースやアミロペクチン)は、加熱によって水分を含み糊化(アルファ化)した状態にあります。これを4〜5℃程度の冷蔵環境で冷やすと、デンプン分子が再結晶化し、消化酵素で分解されにくい「難消化性デンプン(ベータ化)」へと構造変化を起こします。
レジスタントスターチには、通常のデンプンとは異なる画期的な性質が備わっています。
- 実質的な摂取カロリーの低減:通常の糖質が1gあたり約4kcalとして吸収されるのに対し、レジスタントスターチは小腸で吸収されず大腸へ届くため、1gあたり約2kcalと熱量換算が半減する。
- 腸内細菌叢の劇的改善:水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の双方の利点を持ち、大腸内で酪酸や短鎖脂肪酸を生成。善玉菌を優位にし、腸内環境を整える。
- セカンドミール効果の発揮:冷やしご飯を食べた次の食事においても、血糖値の急上昇が抑制される現象が確認されている。
お弁当に詰めて自然に冷めたおにぎりや、冷蔵保存したご飯を活用した冷製ライスサラダなどは、同じ150gの白米であっても血糖値の立ち上がりが極めて緩やかになります。なお、一度レジスタントスターチ化したご飯は、電子レンジで軽く温め直す程度(人肌〜50℃前後)であれば構造が完全に元へ戻ることはありません。