映画凶悪のモデル上申書殺人事件!首謀者先生の正体と犯人の現在

映画凶悪のモデル上申書殺人事件!首謀者先生の正体と犯人の現在

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この事件が犯罪社会学や心理学の観点から極めて特異とされるのは、「暴力団組長が、一介の不動産ブローカーに完全に操られていた」という力関係の逆転現象にあります。通常、裏社会においては物理的な暴力を握るヤクザが上位に立ちます。しかし上申書殺人事件では、暴力を振るわない三上が頂点に君臨し、荒くれ者の後藤がまるで手足のように使われていました。

ここには、昭和から平成のバブル崩壊期にかけて横行した、資産家食いつぶしビジネスの闇と、巧妙な心理的マインドコントロール(ダブルバインド)の手法が機能していました。

三上は、標的となる資産家の借金問題や家庭環境の弱みを見つけ出す情報収集力と、不動産の複雑な権利関係をすり抜ける法律知識に長けていました。後藤に対しては、「俺の言う通りに動けば億単位のシノギになる」「後始末の絵図はすべて俺が描くから安心しろ」と経済的利益を提示して依存させました。その一方で、ターゲットの親族や被害者に対しては、後藤という暴力団の影をちらつかせて恐怖で支配したのです。

暴力(後藤)と知性(三上)が結託したこのシステムの中では、被害者だけでなく加害者側もまた、金と恐怖による共依存の輪郭に絡め取られていきました。三上は自らの手を一切汚さず、後藤に酒を飲ませ役や穴掘り役を命じることで、刑事責任の回避と実行犯への心理的優位性を保ち続けたのです。この狡猾な二重構造こそが、長年にわたって犯行が発覚しなかった最大の要因でした。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。