「端子がないなら、近くにある金属管に適当に巻き付ければいい」という古い民間療法的な情報は、人命に関わる致命的な誤解を孕んでいます。法律(内線規程・電気設備技術基準)および防災上の観点から、以下の場所へのアース接続は厳格に禁止されています。
- ガス管への接続(絶対厳禁):都市ガス・プロパンガスを問わず、ガス配管へのアース接続は法律で固く禁じられています。万が一の漏電によるスパーク(火花)がガス漏れと重なった場合、引火・爆発事故という最悪のシナリオを引き起こします。
- 水道管への接続(効果なし・法令違反):かつて昭和の時代には水道の鉄管にアースを繋ぐ例が見られましたが、現在の住宅配管の主流は絶縁体である「塩化ビニル管(架橋ポリエチレン管)」です。金属管に見えても地下配管部で樹脂管に切り替わっているため、電気抵抗が無限大となりアースとしての機能を一切果たしません。水道法および内線規程でも現在は禁止されています。
- 電話専用アースや避雷針(二次災害リスク):電話線用のアース端子や建物の避雷針配管にアース線を繋ぐと、落雷時に超高圧の雷サージが家庭内電化製品へ逆流し、接続機器の全損や室内火災を誘発します。
アースの接続先として法的に認められ、真の安全が担保されるのは、地中深くに埋設された接地極と繋がっている正規の接地端子のみです。安易な代用は危険を倍加させるだけであることを銘記しなければなりません。