近所で毛のないタヌキを見かけた際、誰もが最も懸念するのが「自分や飼い犬にうつるのか」という点でしょう。結論から言えば、ペットの犬には極めて高い確率で感染し、人間にも一時的な皮膚トラブルを引き起こすリスクが存在します。
特に危険なのが愛犬への感染です。犬に感染するヒゼンダニと同種であるため、散歩中にタヌキと直接接触した場合はもちろん、タヌキが体をこすりつけた草むらや側溝、落ち葉の山に愛犬が触れるだけでもダニが移行する「間接感染」のリスクがあります。犬が感染すると「イヌ疥癬」を発症し、耳の縁や肘、腹部を中心に耐え難い痒みとフケ、脱毛が発生します。日頃からイソキサゾリン系などのダニ駆除薬を定期投与しておくことが、最大の防御策となります。
一方、人間に対するリスクも見過ごせません。タヌキに寄生するダニが人間の皮膚に移った場合、人間の体内では長期繁殖できないものの、数日から数週間にわたり強いかゆみを伴う赤い発疹(皮疹)を引き起こします。もし庭のウッドデッキ下や物置の隙間に毛のないタヌキが潜んでいた形跡がある場合は、不用意に素手で周辺の資材や土を触らないよう厳重な注意が必要です。