2002年9月、日本外交の歴史を塗り替えた日朝首脳会談。あの前代未聞の電撃訪朝を成功に導いた立役者こそ、飯島氏に他ならない。当時、内閣官房の限られた極秘ラインのみで進められた交渉は、一歩間違えれば政権崩壊どころか国家の危機を招く危険な賭けだった。
外務省の頭越しに進められた水面下の折衝、情報漏洩を防ぐための徹底した情報統制、そして北朝鮮側の心理を読み切ったギリギリの駆け引き。平壌の地に降り立った小泉首相を支えた飯島氏の眼光は、拉致被害者奪還に向けた冷徹なリアリズムに満ちていた。国家の命運を分ける局面で発揮されたこの情報収集力と胆力は、今も語り継がれる伝説だ。