3歳で別れて以来、顔も声も写真の中でしか知らなかった実父との関係が再び動き出したのは、ニコルさんが高校生になった頃のことでした。モデルとして頭角を現し始めた彼女に対し、母・美子さんが「お父さんに会ってみる?」と声をかけたことがきっかけでした。
母親がニュージーランドにいる父親と連絡を取り、父親が来日する形で約13年ぶりの奇跡的な再会が実現しました。待ち合わせ場所に現れた父親は、幼少期の写真そのままの優しい眼差しを持つ紳士でした。しかし、そこで大きな壁となったのが「言語」でした。ニュージーランド生まれとはいえ、3歳で帰国したニコルさんは英語を全く話せなかったのです。
そこでニコルさんが取った行動が、「スマートフォンの音声翻訳アプリ」を使った対話でした。画面に向かって日本語で話し、それを英語に翻訳して父親に聞かせ、父親の英語を日本語に変換する――。文明の利器を挟みながら、ニコルさんは「今モデルの仕事をしているよ」「会いたかったよ」と必死に想いを伝えました。父親は目を潤ませながら、立派に成長した愛娘を力強く抱きしめたと語られています。
別れ際、父親からプレゼントされたアクセサリーやお土産を、ニコルさんは宝物のように大切に持ち帰りました。離れて暮らしていても、実父が自分を誇りに思い、遠い異国の地からずっと見守り続けてくれていた事実を知ったことは、彼女の自己肯定感を大きく押し上げました。
父親の現在についてですが、今もニュージーランドで穏やかに暮らしています。ニコルさんが2023年に俳優の稲葉友さんと結婚を発表した際や、人生の重要な節目にはメッセージを通じて温かい祝福が送られたと伝えられています。頻繁に会うことは叶わなくとも、互いの幸福を純粋に祈り合える成熟した関係性が保たれています。