高カリウム血症の心電図|テント状T波から致死的不整脈を見抜く救命手順

高カリウム血症の心電図|テント状T波から致死的不整脈を見抜く救命手順

高カリウム血症の心電図|テント状T波から致死的不整脈を見抜く救命手順にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

Q1:テント状T波と急性心筋梗塞(超急性期)の巨大T波はどうやって見分けますか?
A1:最大の鑑別点は波形の幅と対称性です。高カリウム血症のテント状T波は「基底部の幅が極めて狭く、左右対称で針のように尖っている」のが特徴です。一方、急性心筋梗塞の超急性期に見られるT波増高は、基底部が広く立ち上がりが非対称であり、対応する誘導でのST上昇や対面誘導での鏡面像(reciprocal change)を伴うことが鑑別の決め手となります。

Q2:なぜ高カリウム血症では心室よりも先にP波が消失してしまうのですか?
A2:心房の作業心筋細胞は、心室筋や刺激伝導系に比べて電位依存性ナトリウムチャネルの密度が低く、静止膜電位の上昇(脱分極)に対する耐性が極めて低いためです。高カリウム状態に晒されると真っ先にナトリウムチャネルが不活化され、電気的興奮を失って体表面心電図からP波が掻き消されます。

Q3:心電図異常が出ているのにカリウム値が5.8mEq/Lと軽度でした。見落としでしょうか?
A3:決して検査エラーとは言い切れません。血清カリウムの上昇速度が非常に急激であった場合や、低ナトリウム血症・低カルシウム血症・アシドーシスが合併している環境下では、絶対的なカリウム値がそれほど高値でなくとも重篤な心電図伝導障害が出現することがあります。数値のみに惑わされず、波形の異常度を最優先して治療介入を行う必要があります。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。