人間が生命を維持するためには、脳や腎臓をはじめとする全身の臓器へ絶え間なく血液を送り届ける必要があります。何らかの理由で血圧が急激に低下したり、出血によって循環血流量が減少したりした際、生命維持の非常ベルを鳴らすのが腎臓です。レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 わかりやすく整理すると、「腎臓が血流低下を感知し、全身の血管を締め上げ、体内に水分と塩分を溜め込むことで血圧を強引に引き戻す緊急バックアップ機構」と言えます。
この連鎖反応の全容を捉えるには、臓器をまたぐリレー形式のホルモンカスケードを追う必要があります。レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の仕組み詳細まとめとして、そのステップは以下の4段階に集約されます。
第1段階は、腎臓の輸入細動脈に位置する傍糸球体装置 レニン分泌の経緯から始まります。血圧低下や交感神経の興奮、遠位尿細管の緻密斑(マクラ・デンサ)における塩化ナトリウム濃度の低下を感知した傍糸球体細胞は、血液中へ酵素「レニン」を放出します。
第2段階において、レニンは肝臓で常に産生されている前駆体タンパク質「アンジオテンシノーゲン」に作用し、末端のペプチドを切断して10個のアミノ酸からなる「アンジオテンシンI」へと変換します。現時点では昇圧活性はほとんどありません。
第3段階では、主に肺血管内皮細胞表面に豊富に存在するACE(アンジオテンシン変換酵素)が働き、アンジオテンシンIからさらに2個のアミノ酸を切り離します。これにより、わずか8個のアミノ酸から構成される極めて強力な生理活性物質「アンジオテンシンII」が誕生します。
第4段階で、アンジオテンシンIIが全身の血管平滑筋にあるAT1受容体に結合して血管を急速に収縮させると同時に、副腎皮質球状帯を強力に刺激して「アルドステロン」の分泌を促進します。この一連の流れこそが、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 血圧上昇の理由を形作る不可欠なドミノ倒しです。