浴室の換気扇掃除を数ヶ月から数年間放置している場合、単に「ホコリが溜まっている」だけでは済みません。浴室は高温多湿な環境に加え、皮脂汚れや石鹸カスが空気中に浮遊する、カビ菌(特にクラドスポリウムやアスペルギルス)にとって最上級の繁殖場です。排気口へ向かって吸い寄せられた微細なホコリは湿気を吸って換気扇内部に固着し、それを苗床にして黒カビが爆発的に増殖します。
換気扇が稼働している間は外へ向かって空気が吸い出されているように見えますが、スイッチを切った瞬間や気流の乱れによって、ファンに付着した乾いたカビの胞子が浴室全体へシャワーのように拡散します。「壁や床をいくらカビ取り剤で洗っても、数日経つとすぐに黒ずみが発生する」という家庭は、換気扇自体がカビの散布機と化している典型的な兆候です。
さらに深刻なのが機械的なトラブルです。吸気口や羽根にヘドロ状の汚れが蓄積すると、ファン全体の重量バランスが崩れて偏心回転が始まります。これによって軸受(ベアリング)に想定外の負荷がかかり、初期段階では「風切り音の増大(ゴーという重低音)」、悪化すると「潤滑油の劣化による金属摩擦音(キュルキュル音やキーキー音)」へと進行します。この状態を放置するとモーターが焼き付き、最悪の場合は異臭や発煙を伴う故障に至るため、早期の対処が不可欠です。