結論から述べれば、統計上、35歳で1000万円の貯蓄を形成できている人物は文句なしのトップランナーです。世間一般の噂やSNS上の富裕層アピールに惑わされず、まずは公的機関の調査データから厳然たる事実を把握する必要があります。
金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査」の動向を紐解くと、30代の資産実態は二極化が極めて激しく進んでいます。一部の富裕層や高所得者が数値を押し上げる「平均値」と、実態に即した「中央値」の間には、目を疑うほどの断絶が存在します。
国税庁の民間給与実態統計調査などを加味しても、35歳時点の平均年収は額面で400万円台後半、社会保険料や税金を差し引いた実際の手取り額は年間360万〜380万円前後に留まります。この現実的な収入水準から逆算すれば、社会に出てからの約12〜13年間で年間80万円近くをコツコツと積み立ててこなければ1000万円という残高には届きません。したがって、「35歳で1000万円は少ない」という命題は、統計的な分布から見れば完全なる誤謬(ごびゅう)です。