室内の設備機器からも、極めて高い精度でガス種別を割り出すことができます。特にガスコンロや給湯器の誤接続は重大事故に直結するため、メーカー各社は厳格な表記基準を設けています。
手持ちの据置型ガスコンロや備え付けのビルトインコンロを確認する場合、本体側面や電池ケースのフタ裏に貼られている銘板シールをチェックします。そこに「都市ガス用 12A・13A」と印字されていれば都市ガス仕様、「LPG」または「プロパンガス用」と印字されていればプロパンガス仕様です。都市ガス(天然ガス)とプロパンガスではガスの比重や発熱量、必要な空気量が根底から異なるため、ノズル口径が専用設計されています。適合しない器具を無理に使用すると、不完全燃焼による一酸化炭素中毒や爆発的着火を引き起こす危険性があります。
器具を接続するガスホースの色(ゴム管・強化ホース)も強力な判断材料です。日本ガス機器検査協会(JIA)の規格により、ゴムホースの色分けが明確にルール化されています。
- 都市ガス用ホース:ベージュ(白に近い薄茶色、または淡いピンクがかった乳白色)
- プロパンガス用ホース:鮮やかなオレンジ色
屋外やベランダに設置された給湯器の型式プレートも有力な手がかりです。リンナイやノーリツ、パロマといった主要給湯器の型番ラベルには、「都市ガス 12A 13A用」あるいは「LPG(プロパンガス用)」という区分文字が太字で記載されています。型番自体の末尾に「-13A」や「-LPG」と割り振られているケースも多く、現場で型番をスマートフォンで検索するだけで取扱説明書のPDFから即座に仕様を特定できます。
もう一つの決定打が、ガス警報器の設置場所です。この配置には気体の物理的性質がダイレクトに反映されています。都市ガスの主成分であるメタンは空気より軽いため(空気の比重を1とした場合、約0.55〜0.65)、万が一漏洩した場合は天井方向へ滞留します。そのため都市ガス用の警報器は「天井面から30cm以内」の高所に設置されます。反対に、プロパンガスの主成分であるプロパンやブタンは空気より重いため(比重約1.5〜2.0)、漏洩すると床を這うように沈殿します。したがってプロパンガス用の警報器は「床面から30cm以内」の壁面低位置に設置されているのが通則です。