それでもコストを抑えて自分で補修したい場合、正しい知識と手順を踏むことで失敗のリスクを最小限に抑えられます。仕上がりをプロレベルに近づけるためのフローリングえぐれ傷パテ埋め手順を解説します。
下準備を怠るとパテの密着不良につながるため、以下のステップを厳格に守ることが成否を分けます。
- 傷口の清掃とバリ取り:えぐれた木部のトゲやめくれ上がった表面材を、カッターナイフで平滑に削り落とします。その後、無水エタノールや中性洗剤で油分を完全に拭き取ります。
- マスキングテープによる厳密な養生:傷の輪郭からわずか0.5ミリ外側を囲むようにマスキングテープを貼ります。これにより、パテが周囲の健全な床材に付着する事故を完全に防ぎます。
- パテの充填と重ね塗り:深いえぐれ傷の場合、1回で埋めようとせず、乾燥収縮を見越して2〜3回に分けてパテを薄く充填します。
- 乾燥後の削り出し:パテが完全に硬化したら、400番前後の耐水サンドペーパー(サンドブロックに巻き付けたもの)で、床面と完全にフラットになるまで優しく研磨します。
- 木目の再現とツヤ調整:単色で埋めるだけでは不自然になるため、アルコール系補修マーカーで細い木目を描き足し、最後につや消しスプレーまたはワックスで光沢を周囲と統一します。
ここで極めて重要なのがフローリング傷色合わせのコツです。多くの人が「床の色と同じ単色」を選んで失敗します。木材には濃淡のグラデーションが存在するため、補修材は「床の最も明るいベース色」に合わせ、木目の濃い線は後から細筆やペンで描き足すのがセオリーです。暗い色をパテとして先に埋めてしまうと、後から明度を上げることができず、黒いシミのように見えてしまいます。