ペダル脱着を安全かつ迅速に行うためには、作業前のセッティングと「力のかけ方」のポジション取りが成否を分けます。プロメカニックが現場で実践している標準オペレーションは次の通りです。
まず最初の絶対条件は、「フロントのチェーンをアウター(大径リング)に入れておく」ことです。作業中に工具が外れて手が滑った際、インナーリングの状態だと剥き出しの金属歯に手の甲が直撃し、深い裂傷を負う危険があります。アウターにチェーンを噛み合わせておけば、万が一手が飛んでもチェーンがクッションとなり重傷を防げます。
作業スペースを確保したら、車体を安定させます。メンテナンススタンドに載せるか、輪行袋へのパッキング作業などでスタンドがない場合は後輪を接地させた状態で作業します。ロードバイクの輪行時のペダル外し手順としても、バイクを壁などに立てかけて安定した姿勢を作ることが基本です。
続いて工具の角度設定です。クランクアームの向きと六角レンチ(またはペダルレンチ)の柄が、横から見て「鋭角(およそ60度前後)」になるようセットします。クランクと工具を両手で包み込むようにして、握力をグッと絞り込むように「お互いを引き寄せる」形で力を加えると、車体がブレず、腕の筋肉や体重を無理にかけることなく、テコの原理で「パキッ」と一気に初期の緩みを生み出すことができます。
初期の緩みが出た後は、工具を外して手でペダル本体を持ち、クランクを逆回転させるだけでスルスルとネジが抜けていきます。この一連の動作を落ち着いて行うだけで、作業時間は左右合わせても5分とかかりません。