大手SNSや知恵袋などの愛犬家コミュニティを丹念に調査すると、短毛カットを依頼した飼い主たちの赤裸々な後悔の声が数多く見受けられます。
「涼しくしてあげようと3mmの丸刈りにしたら、自分の姿にショックを受けたのか数日間ソファの下から出てこなくなってしまった」「毛を刈ったら貧相に見えて、散歩中に別の犬種と間違われた」といった情緒的な落胆は極めて典型的です。特に初めてのトリミングを迎えた幼犬におけるパピーカットの短め失敗は深刻です。生後6ヶ月〜1歳未満のパピー期は、柔らかい子犬の毛から成犬のしっかりした巻き毛へと生え変わる重要な移行期にあたります。この繊細な時期に強い圧でバリカンを当ててしまうと、成犬になっても毛量が均一に揃わなくなるトラブルが現場のグルーマーからも指摘されています。
都内トリミングサロンのチーフグルーマーは、取材に対して次のように現場の葛藤を明かしています。「『とにかく限界まで短くしてください』と頼まれるお客様の多くは、日々のブラッシングで毛玉を作ってしまい、毛玉料金の加算や愛犬が痛がる姿に悩んだ末の決断です。しかし、ツルツルに刈り上げた結果、冬場に震えが止まらなくなったり、散歩を嫌がるようになったりして『元に戻したい』と駆け込んでこられる。被毛は犬にとっての衣服そのものであるという認識が、もっと広まる必要があります」。