盛り塩に用いる塩と器には、守るべき明確な基準が存在します。スーパーマーケットで安価に手に入る塩であっても、原材料表示の確認を怠ると意味をなしません。
選ぶべきは、「海水のみを原料とした、天日干しや平釜製法による粗塩(天然塩)」です。にがり成分(塩化マグネシウム)を適度に含まないサラサラの乾燥塩は、型崩れしやすく綺麗な形に固まりません。神職の儀礼でも用いられる瀬戸内海産や赤穂の天然粗塩、あるいは沖縄の海塩などが適しています。
盛り塩の形状については、古くから神仏へ捧げる神聖な形とされる「三角錐」や、全方位からの加護を意味する「八角錐」が主流です。手だけで綺麗な円錐形を作るのは熟練を要するため、市販の木製・陶器製の「盛り塩成形器」を活用するのが確実です。
綺麗に仕上げるコツは、成形器の内側をわずかに水で湿らせてから粗塩をスプーンで少量ずつ詰め、親指の腹やヘラで底面を平らにギュッと押し固めることです。塩の乾燥が進んで固まらない場合は、霧吹きで1回だけごく微量の水分を含ませると、器から外した際に角が美しく立ちます。