その夜、家中が寝静まった深夜に物語はクライマックスを迎えます。部屋で一人眠れずに苦悩していたのび太は、枕元で寝ているドラえもんを起こし、静かにコンピューターペンシルを返却します。
のび太は目に涙を浮かべながら、「これ、返すよ。こんなものを使って喜ばせても、嘘をついているのと同じだ。ぼく、やっぱり自分の力で100点を取りたいんだ」と告白します。偽りの栄光にすがり続けることを自らの意思で拒絶し、不正の道具を手放す決断を下したのです。
のび太の心の成長と誠実さに深く心を打たれたドラえもんは、温かい眼差しで彼を見守ります。そしてのび太は、深夜の机に向かって一人静かに教科書を開き、自力で勉強を始めます。
この結末が読者に突きつける教訓は明快です。「安易な近道で得た成果に真の価値はなく、誠実さと自力での努力こそが人を成長させる」という普遍的な真理。のび太が単なる怠け者ではなく、根底に誰よりも澄んだ良心と誇りを持っている人間であることを証明した名シーンです。