映画『孤狼の血』などでバイオレンスと人間ドラマの極限を描いてきた白石和彌監督。彼が今作の題材に選んだのは、かつて日本中の熱狂を集めた全日本女子プロレスの黄金時代だ。単なるプロレスドラマにとどまらず、少女たちが欲望と嫉妬、血と汗が入り混じる過酷な環境で生き抜く姿を徹底的なリアリズムで描き出した。
昭和の女子プロレス界には、現代の常識では測れない独自の掟が存在した。厳格な縦社会、過密な巡業日程、そしてリング上で削り合われる意地とプライド。白石和彌監督は当時の関係者への徹底した取材を重ね、表舞台の光だけでなく、暗部も含めた人間模様を一切の加減なく映像へと定着させている。