山本鈴美香が描き出し、集英社の『週刊マーガレット』で発表された『エースをねらえ!』は、当時の少女漫画の概念を根底から覆す画期的な作品だった。それまでの乙女チックな恋愛要素を中心とした作品群とは一線を画し、緻密なラリーの描写や極限状態における精神の葛藤を描いた。スポーツの厳しさと人間の成長をドラマチックに紡ぎ出した展開は、瞬く間に社会現象を巻き起こしたのだ。
アニメ化を手掛けたのは、当時革新的な映像表現を追求していたトムス・エンタテインメント(当時の東京ムービー)。出崎統監督によるアニメーションは、止め絵や劇的な光の演出を多用し、コート上の緊迫感を映像美へと昇華させた。スポーツアニメとしての完成度の高さは、放送終了から数十年が経過した現在でも極めて高く評価されている。