日本国内でリアル脱出ゲームという体験型エンターテインメントが爆発的なブームを巻き起こしたのは、2000年代後半のことだ。SCRAPの加藤隆生氏が手掛けた『ある牢獄からの脱出』をはじめとするイベントがヒットし、日本中のアミューズメント産業に地殻変動をもたらした。画面の中のゲームでしかなかった「部屋からの脱出」を現実世界に引きずり出した革新性は、多くの人々に衝撃を与えた。
それから年月が経ち、謎解きアトラクションは大きな進化を遂げた。単に鍵を開けるだけのシンプルな構造から、プロジェクションマッピングや物理ギミック、精巧なストーリー体験を組み込んだ複合エンタメへとシフトした。現代のプレイヤーは、観客ではなく物語の主人公であることを求めている。この消費傾向の変化に応える形で、現在の体験型施設は進化を続けている。