千恵蔵の映画人生を語る上で欠かせないのが、名監督・稲垣浩との深い絆だ。二人の協働によって生み出された作品群は、時代劇というジャンルに文学的叙情性と高いエンターテインメント性を融合させた。この黄金コンビによる傑作の数々は、映画批評家からも高い評価を受け、当時の観客を熱狂させた。
戦後、活動の拠点を東映京都撮影所へと移した千恵蔵は、スタジオの黄金時代を支える大柱として君臨する。東映京都撮影所から送り出された数々の大作映画において、彼は圧倒的なオーラを放ち、日本の時代劇映画が世界に誇る文化へと結実するプロセスを牽引し続けた。