ショート動画の隆盛とリアルタイム共有アプリの普及は、言葉の生まれ方そのものを根本から作り変えた。音源と身振りがセットになって秒単位で消費されるTikTokでは、語呂の良さや突発的な違和感を伴うフレーズがアルゴリズムの波に乗り、瞬時に拡散される。意味の深さよりも「音としての心地よさ」や「動画のオチに使いやすい機能性」が優先されるのが現代の特徴だ。
日常の飾らない瞬間を不意打ちで切り取るBeReal.の台頭も、若者の言語感覚に決定的な影響を与えている。計算された映えを嫌い、過剰な演出を脱ぎ捨てた「生々しいリアル」を共有する場では、仲間内だけで通じるスラングやインターネットミームが親密さの証として機能する。加工された美辞麗句よりも、即興で放たれた一言のほうが圧倒的な説得力を持つ。コミュニケーションの文脈がテキストからビジュアルへ、そして刹那の空気感へと移行するなかで、言葉は単なる伝達手段を超えた「連帯の合言葉」へと進化した。