彼女の歩みは決して順風満帆だったわけではない。50代を迎えた頃、心臓の不整脈の一種である「心房細動」を発症し、カテーテルアブレーション手術を経験した。常に心拍数や体調と向き合う生活は、トップアスリートとして肉体を追い込んできた彼女にとって、自身の生命力と静かに向き合う大きな転機となった。
病を乗り越えたことで、彼女の言葉には一層の深みが増した。「命や健康を犠牲にしてまで掴む勝利に、どれほどの価値があるのか」。この実体験に基づく問いかけが、スポーツ現場におけるメンタルヘルスケアや安全管理の重要性を社会に知らしめる強力な説得力となっている。